【本】夜叉ヶ池

星3つ
初・泉鏡花。
夜叉ヶ池は戯曲で、ちなみに泉鏡花は尾崎紅葉の弟子。
泉鏡花は「奇怪」な小説で有名で、夜叉ヶ池でも十分その魅力は表現されていたと思う。

夜叉ヶ池は、飛騨、越前の間の山中にある深池にまつわる明治・大正期の物語。

芥川のような古い民謡的な文章かつ、短編が好きだからこそ、妖怪が登場するのが残念。あんまりSF好きじゃないーーーーーー

ただ、SF嫌いでもその世界に十分浸ることができる作家。
実際、一気に読み終えられたし。

やはり自分が、この時期の小説家を好きな理由はその表現力。
「お百合さんのそうした処は、咲き残った菖蒲を透いて、水に影が差したようでなお綺麗だ。」
この一文に泉鏡花はどれだけの時間をかけたのだろう。

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