【本】21世紀の国富論

星4つ
大前研一や東大の岩井教授の主張と似ていて、現在の資本主義は行き詰まりが来ているということ。

現在は、
市場からの投資に対する短期リターン重視であり、内部留保など断じて許されない。
といった姿勢。

ある企業で、財務分析のインターンをした時にも感じたことだけれど、いくつかの企業の株主重視の姿勢には違和感を感じる。

株主に対して、株価を重視していますよといったパフォーマンスだけで、へこへこしているような財務運営。

日米で比較してみると、
GEは、株主に対する配当額は近年までずっと下げたことはなかった。その一方で、売り上げ、利益率も十分すぎる結果を挙げている。株主への還元という「負債」を背負ったがための、パフォーマンスだと思う。
一方の日立は、業績が悪ければ、配当は減らし、あったとしても微々たるもの。一方の、売り上げはずっと変化なし、利益は赤字。という状況。たまに、自社株買いのパフォーマンス。。

これを考えれば、株主重視を徹底した方が、良いようにも思えてくる。

ただ、これに対して著者は、株主、株価重視のあまり、メーカーが研究所を売却したりと、財務ゲームのようになっており、とりわけ、VCにおいて問題が顕著であると述べている。

ただ、日立の経営が悪いのは、短期的な問題にすぎないかもしれず、中長期的には批判できない。

原さんが重視しているのは、むしろこの点。
短期利益を追求し、バランスシートを保って、基礎研究をおろそかにするメーカーはアホだということ。
そして、それを求める市場も。

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