【本】三四郎 夏目漱石

これからは、mixiでなくこっちで書評を書く事にします。

とりま久しぶりの一冊は、「三四郎 夏目漱石」



東大生の恋を描いた作品。
何度も言っているけれど、夏目漱石ー村上春樹ラインは、芥川ー村上龍ラインとの趣の差が激しい。自分は圧倒的に後者に肩入れしてるが、夏目漱石の三四郎を読んだ事がないのは食わず嫌いだとの思いから読んでみた。

まぁやはり夏目漱石は、心の機微な変化を描写する点において優れているなーというのが一番の感想。というよりも、そうした心の機微の変化を起こす、情景の描写に優れているという感じ。
読んでいて、嫌みはなく、ストーリーは面白い。でも、それ以上には成らない。
自分にとってはジャンプと同じような、良い意味での暇つぶし的な本なのかなー


*********
「私そんなに生意気にみえますか」
その調子には弁解の心持ちがある。三四郎は意外の感にうたれた。今までは霧の中にいた。霧が晴れれば好いと思っていた。この言葉で霧が晴れた。明瞭な女が出て来た。晴れたのが恨めしい気がする。
三四郎は、美禰子の態度を故のような、ーーー二人の頭の上に広がっている、澄むとも濁るとも片付かない空のような、ーーー意味のあるものにしたかった。けれども、それは女の期限を取るための挨拶くらいで取り戻せるものではないと思った。
*********

コメント

人気の投稿