【本】山椒魚

山椒魚 井伏鱒二




中学のとき、国語の授業で暇を見つけては、便覧を見てた。
そんな中、不思議と気になってた井伏鱒二の山椒魚。
名前が「鱒」で、本が「山椒魚」。
どんな本か気になって仕方ない。

実際、主人公は、山椒魚で、
このキャスティングは、非常に「巧い」。
山椒魚の擬人化において、
描写は簡潔ながらも、必要十分。
山椒魚と蛙のやりとりはほっこりする。

ただ、よく言われるみたいだけれど、やはり昭和くさいなあ。
昭和くさいってのは世俗的というか、重厚感がないというか。
まだ言葉足らずで、良い言葉が見つからない。
大正、明治の漢文調の文章の方が好きだなー。

よほど暫くしてから山椒魚はたずねた。
「お前は今どういうことを考えているようなのだろうか?」
蛙は極めて遠慮がちに答えた。
「今でも別にお前のことをおこってはいないんだ」


屋根の上のサワン/へんろう宿

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