財政破綻のシュミレーション(上)

留学中に個人的な関心から、日本の財政破綻のシュミレーションを行いました。その結果を参考までに共有します。まずは前編で、財政破綻とは何か、いつ起きるのかです。

財政破綻の定義

¡新規の国債発行不可能に。
¡金利が2%に上昇するだけでも、市場は国債暴落を意識する。(NIRA 総合研究開発機構)
¡一方で、財政ファイナンスが可能。
¡財政ファイナンス=財政法昭和22年法律第345条における国会議決をへて、日銀が国債を直接引き受けること。
¡財政法第五条 すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。
¡ つまり、財政ファイナンスを始めるタイミングも破綻の一類型と言える。
 
財政破綻はいつ起きるのか?  

¡国債の格付け低下
¡国債市場の流動性が低下した際に、一定以上の売りが出て、価格が大きく変動した場合 東大経済学部「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会
¡既に国債市場は、流動性が低下しつつあるため、日銀の金融政策変更が大きな影響を与える(出口戦略(買い入れ減額または買い入れ停止)東大経済学部「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会
¡生保の購入減少東大経済学部「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会
¡景気回復などにおいて)銀行国債を売却し、株・証券への投資比重を高める時(東京財団


¡維持不可能な歳出(医療制度)などを政府が確約し、財政の持続性への信認が低下した際
¡小沢ショック(小沢幹事長が民主党代表選挙に立候補した際に、バラマキが予見され、長期利率が上昇した。)
¡消費増税がなされない場合(現在、消費税の引き上げ余力が日本国債への信頼感の一つになっている。 東京財団)
¡消費税率10%への引き上げを20174月から1910月に再延期。



¡2022
¡団塊の世代が後期高齢者にり始める。
¡2025年には団塊の世代は全て後期高齢者になる。
¡高齢者が2200万人と人口の4人に1
¡2022
¡民間金融機関の国債購入余力を超える時
¡民間金融機関は貸し出しを減らして国債を購入している。国債発行が50-60兆で推移した場合、2022年頃限界を迎えるのではないか。(東京財団
¡平成28年度の発行額は35兆円程度(低金利のおかげ)。


¡2025
¡家計資産総額を残高が超えたとき東大経済学部「財政破綻後の日本経済の姿」に関する研究会
¡2014年時点:家計資産(現預金、保険、年金、投信等)1549兆円、公債残高860
¡低金利が持続した場合には少し長くなるが、貯蓄率(3%と仮定)が低下した場合、少し早くなる。(東京財団
 
¡日本経済が成長軌道に乗る場合
¡経済成長するいう期待が醸成され、資金が国債以外(企業の設備投資など)に向けられ、かつ、金利インフレ予想を反映することから長期金利が大きく上昇し始めると、国債の利払費が税収増加のペースを上回り、国債消化が困難になる。(東京財団)
¡逆に言えば、市場は成長戦略を信用していないから、国債は反応していない。NIRA 総合研究機構
¡消費者物価の2%上昇が達成されるような場合も、国債の利払費が大きくはね上がる可能性が高い。(東京財団)
¡金利は、将来の物価上昇の予想を織り込むため、物価よりも早いタイミングで上昇する。(NIRA 総合研究機構
 


 

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