【本】変身(カフカ)

星3つ
ついに読んだ。
朝起きたら虫になっていた男の話。

「自分が朝起きて虫になったらどうしよう?」ってことばかり考えてしまう。とりあえずもう一回寝るだろう。
そんで、もう一回起きてまだ虫だったらまた寝るのかな。

この本では、この虫になった男は自殺しないし、そんな気も起こさない。普通は、自分が虫になったら絶望して死ぬだろうし、少しは考えるものだ。(と思う。)

むしろこの男は、飯を楽しみにしたり、窓から外をみたり、動き回ったり、世話をしてくれる妹に不満を抱いたり。
これって「生」に執着してるのだと思う。

ここまで書いて、これは正岡子規が死期につづった日記「仰臥慢録」そっくりだと思った。あの日記でも子規は、世話をしてくれる妹や親への文句、何が食べたいなどと書いていた。現実、子規は、寝たきりで下の世話になりながらそんなことを思っていた。

実際、自分が下の世話をされるようになったら(そうなる前に)、死にたいと今、思う。でも、実際そうなった時には、飯のこととか考えちゃうんだろうなー

カフカは「虫になる」という設定を用いて、無意識下人の生にたいする執着を書きたかったのかなーと思う。(違ったらごめん。)

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